KIZASHI

ガジェット好きのITコンサルタントの気まぐれブログ。
ノートパソコンはLet's note、スマホはXperiaとiPhone、Windows Phoneが好き。音楽好きでイヤホン、ヘッドホンなどの音響機器も大好き。何気にアナログな雑貨、バッグ、ステーショナリーも大好きです。特に本革レザー大好き。ダニエル&ボブや土屋鞄などもお気に入り。

イヤホン

孤高のダイナミック型イヤホンCampfire Audio VEGAのレビュー

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Campfire AudioのフラッグシップモデルVEGAが発売されたので早速購入してみた。

これまでのフラッグシップモデルである5BAユニットを搭載したAndromedaの評価が大変高く、ダイナミック型イヤホンでは生産が中止されたLYRAの評価が高いこともあり、初めてのCampfire Audioのイヤホンだが迷いなく手に入れることができた。

購入してすぐにNW-ZX2にVEGAを差して聴いてみたが、全体的に音が柔らかく、低音が強めに出て、高音域はフワフワと頭の中を巡るような感じで、音のバランスは悪いものの素性の良さを感じて少し鳥肌が立った。その後、50時間ほどエージングをしてのレビューになる。

Campfire Audio VEGAは低音が強く出ていたので、低音が弱めのDP-X1で最初に聴いてみた。DP-X1とVEGAの組み合わせは音がフラットで気持ちいい。Campfire Audio VEGAのレビューの中にはアンプの性能が良くないと性能が引き出せないというものもあったが、DP-X1でも十分に性能を引き出せている。VEGAの個性でもある低音のボリューム感がなくなり、リファレンス的に聴けるようになる。

NW-ZX2でVEGAを聴くと、VEGAの良さである低音の生々しさが引き出され、音に迫力が生まれる。個人的にはとても好みの音だ。今まで聴いたことのない音がそこにはある。

Campfire Audio VEGAと一番合うと感じたDAPはAcoustic ResearchのAR-M2だ。音のクリアさ、バランス、全てが完璧に近い。LYRAもBA型イヤホンのような音がすると言われていたが、このVEGAもBA的な音の繊細さを表現してくる。そこにダイナミック型イヤホンが持っている豊かな低音域が加わり、唯一無二の音を奏でてくれる。上手く表せないが、何かひとつイヤホンを残せと言われたら迷わずVEGAを選ぶと思う。それぐらい魅力のあるイヤホンに仕上がっている。

まだエージングが50時間だが、まだまだ音が良くなりそうな予感がする。とても硬いダイナミック型ドライバーを使っているのでエージングも時間がかかりそうだ。

高音域 ★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★★★
解像度 ★★★

追記 2016/11/23

エージングも200時間以上となり、評価も安定してきたと思うので追記しようと思う。

Campfire Audio VEGAの音を唯一無二の音と評価したが、それは聴き続けても変わることはなかった。イヤホンでは出すことが難しい豊かで生々しい重低音(ヘッドホンでもこの豊かな重低音を出せるものがあるのかと聞かれると自分は知らない)をベースにして、透き通った濁りのない高音域と中音域が音を奏でる。決して重低音に埋もれることなく、どこまでも澄んだ高音域と中音域は聴いていて本当に不思議な気持ちになる。音がドンシャリとか、フラットとか、そういう言葉では表せない。小さなライブホールの前列でライブを聴いているかのような気持ちにさせてくれる。自分はどちらかというと、原音忠実で音はフラットであることを追及してきたが、本当のフラットな音というのはVEGAが奏でる音なのかもしれない。本来はこの豊かな低音があるべきだが、ドライバーの技術の問題で実現できていなかっただけのような気がしている。

このCampfire Audio VEGAと最適な組み合わせはAcoustic ResearchのAR-M2だと感じている。もしもCampfire Audio VEGAの音を聴いてがっかりしたならばAR-M2で聴いてみることをおすすめする。

Campfire Audio VEGA CAM-4907


Acoustic Research AR-M2



WESTONE W60のファーストインプレッション

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米国WESTONE(ウェストン)のユニバーサルイヤホンのフラッグシップモデルが6BAを搭載したWESTONE W60を手に入れたのでファーストレビューをしたいと思う。低音域×2BA、中音域×2BA、高音域×2BAの3wayという構成ながら驚くほどコンパクトなボディになっている。4BAのSHURE SE846よりも一回り小さいから驚きだ。

WESTONEというと、近年は日本でも人気が出てきているが、SHUREやULTIMATE EARSと比べるとどうしても知名度が落ちてしまう。しかし、マルチBAのイヤホンをSHUREやULTIMATE EARSが作ろうとしたとき、技術や製造の面でバックアップしたのがWESTONEというのはあまり知られていない。WESTONEは老舗補聴器メーカーでもあり、BAユニットの扱いでは歴史と技術力がある。

最近、SHURE SE846の高音域に不満を感じるようになっていて、いろいろなイヤホンを手にしては手放してきた。最終的にはSE846に戻るのだが、そこでネットで口コミを見てWESTONE W60に期待してみることにした。

SHURE SE846と比較して感じた点を書いてみる。

・SE846はクールな音づくりだが、W60はウォーム(解像度が低いという意味ではなく明るいという意味)な音作り。
・SE846はひとつひとつの音があまり主張せず、まとまりがある音作りだが、W60は音場が広く、ひとつひとつの音が際立つ音作りになっている。
・SE846は濃厚な音作りだが、W60はあっさりとした音作りになっている。
・SE846は高音域が弱いが、W60は高音域もしっかりと伸びている。

そして何よりもWESTONEのイヤホンはSHUREのイヤーピースが使える。つまり、SHUREと同じようにSHURE掛けで外部音を遮断できる。

これから聴き込んでいくと評価が変わる可能性もあるが、今のところはSHURE SE846で感じていた不満点をすべてカバーしてくれていると感じる。もっと早く手に入れておくべきだった。

高音域 ★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★
解像度 ★★★



ウエストン バランスドアーマチュア密閉型カナルイヤホンWestone Universal W60「Signature」Wシリーズ WST-W60



ダイナミック型イヤホンの最高峰、Astell&Kern AK T8iEのレビュー

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独ベイヤーダイナミックが韓国アステル&ケルンとコラボレーションして開発したダイナミック型イヤホンがAK T8iEになる。ベイヤーダイナミックのヘッドホンの上位モデルで採用されているテスラテクノロジーをダイナミック型イヤホンに採用していることが特徴として挙げられる。

AK T8iEはドイツのベイヤーダイナミックの工場で生産され、正真正銘のメイド・イン・ジャーマニーとなっている。コンパクトで軽いボディに、ダースベイダー型と言われているイヤーピースが付き、そこからはまるで同社のヘッドホンT1 2nd Generationのような音を奏でてくれる。

このイヤホンのポイントはダースベイダー型のイヤーピースにあると思う。低音がしっかりと出るため、SHUREやJVCのスパイラルドットのようなイヤーピースでは低音が強く鳴りすぎて正確な音を奏でなくなってしまう。このダースベイダー型のイヤーピースはきちんとフィットするが、程よく音を逃がす性質があり、それがセミオープン型のT1 2nd Generationで音楽を聴いているのと同じような音の抜けの良さを実現している。

ただ、欠点もあり、イヤーピースが外部音を遮断しないため、外で音楽を聴くのには向かない。

ベイヤーダイナミックの音が好きなら間違いなく、ヘッドホンはT1 2nd Generation、イヤホンはAK T8iEという組み合わせがベストだと思う。

高音域 ★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★
解像度 ★★★

Astell&Kern テスラドライバー搭載イヤホン AK T8iE ブラック AK-T8IE-BLK



低音ウッドイヤホン、JVC HA-FX1100のレビュー

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JVCの11mmウッドドームを搭載したカナル型イヤホンのフラッグシップモデルがHA-FX1100となっている。HA-FX1100は評価の高いHA-FX850をベースに細かい部分のチューニングを変更し、ケーブルを6N OFCケーブルに変更したモデルとなっている。

気になる音質だが、HA-FX850ゆずりで低音域がブイブイくる低音イヤホンのままに音がクリアになった印象がある。個人的にここまで低音が出ているイヤホンを他には知らない。それぐらい強い。それでいて高音域もキラキラしていてどんしゃり型の音作りになっている。

ここまで低音が強いと好みが分かれそうだが、相変わらずHA-FX850と並んで評価が高い。個人的にはもっと低音を抑えてもらえると、ゼンハイザーのIE800やベイヤーダイナミックのT8iEに匹敵するポテンシャルがあると感じているので何かもったいないなと思ってしまう。

高音域 ★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★★★
解像度 ★★★

JVC HA-FX1100 WOODシリーズ カナル型イヤホン リケーブル/ハイレゾ音源対応 ブラック



デュアルダイナミック型イヤホン、ZERO AUDIO ZH-DWX10 DUOZAのレビュー

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ZERO AUDIOのダイナミック型イヤホンのフラッグシップモデルがZH-DWX10 DUOZAになる。デュアルダイナミック型イヤホンと呼ばれるもので、ダイナミックドライバーを2基搭載している。

2種類の大きさの異なるダイナミック型ドライバーを搭載することで高音域から低音域まで音を出すことに成功している。スペック的にはハイレゾ対応を謳っている。

最近、BA型のイヤホンを良く聴いているせいか、ダイナミック型のイヤホンは音が籠って聴こえてしまう。同じZERO AUDIOのZH-BX700-CD CARBO DOPPIOと比較すると、音のクリアさが全く違うことに気付かされる。この辺りは好みの問題もあるが、自分はBA型がクリアで好きだと認識させられた。

高音域 ★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★
解像度 ★★★

200時間エイジング後(2016.5.17追記)
このイヤホンはエイジングすると見違えるほど音が変わりクリアになる。音が籠っていると感じたら古いスマホなどで音楽をかけっぱなしにしてイヤホンをエイジングするといい。驚くほどキャラクターが変わる。
高音域 ★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★
解像度 ★★★


ZERO AUDIO ハイレゾ音源対応 カナル型イヤホン DUOZA ZH-DWX10



デュアルフルレンジBAイヤホン、ZERO AUDIO ZH-BX700-CD CARBO DOPPIOのレビュー

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ZERO AUDIOのデュアルフルレンジBAユニットを搭載したフラッグシップモデルがカルボドッピオになる。デュアルフルレンジBAユニットは日本モレックス製と噂されている。

妹的なモデルとしてはシングルBAユニットを搭載したZH-BX510-CS CARBNO SINGOROがある。

普通に考えると、デュアルBAよりもシングルBAの方が濁りのないクリアな音を奏でてくれると思うが、デュアルBAを搭載したCARBO DOPPIOの方がひとつひとつのBAユニットの性能が良いのか、音がクリアで驚かされる。

それでいて音場も広く、程よい低音もあり、キラキラとした高音域が美しく伸びていく。特に高音はこれまで聴こえなかった音が聴こえてくる。

正直、1万円台でこの音が手に入ってしまうことは驚きだ。このイヤホンを手にした後にステップアップしようとすると、10万円クラスのイヤホンまで広げないとステップアップにはならないだろう。それぐらいインパクトのあるイヤホンだと思う。

高音域 ★★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★
解像度 ★★★★


ZERO AUDIO インナーイヤーステレオヘッドホン カルボ ドッピオ ZH-BX700-CD



Acoustic EffectのシングルBAのイヤホンを聴き比べる

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アコースティックエフェクト(通称アコエフ)は、国産にこだわる日本の新興イヤホンメーカー。ヤシマ電気のシングルBAドライバーを搭載したカナル型イヤホンを4機種販売している。型番のYSMはYASHIMAの略かとすぐに気づいたぐらいだ。

YSM-01

シングルBAらしい音の鳴り方で高音域が美しい。Ortofon e-Q7と同じBAユニットを使っていると言われているだけあって音は非常に似ている。

高音域 ★★★★
中音域 ★★★★
低音域 ★★★
解像度 ★★★★

YSM-02/S

YSM-01で使われているBAユニットに純銀ボイスコイルを使った改良版を搭載している。シングルBAらしさがなくなり、低音もしっかり出ている。高音域から低音域までバランス良く音がなっている。

高音域 ★★★★
中音域 ★★★★
低音域 ★★★☆
解像度 ★★★★

YSM-03/R

YSM-01の姉妹機でケーブルが着脱式になっている。ノーマルケーブルのままでも不思議とYSM-01よりも音が良く感じる。

リケーブルしてNW-ZX2とグランド分離で接続してみる。低音の量が増え、ノーマル接続よりも音がしまって聴こえるが、それほど大きな変化はない。

シングルBAの低音が鳴り過ぎない美しい高音域が好きな人にはYSM-03/Rがおすすめだが、個人的にはYSM-02/Sの方が好きだ。

高音域 ★★★★
中音域 ★★★★
低音域 ★★★☆
解像度 ★★★★
NW-ZX2とグランド分離接続での評価

YSM-04/RS

YSM-02/Sの姉妹機でケーブルが着脱式になっている。こちらもやはりYSM-02/Sよりも音が良く感じる。

YSM-03/Rと同じくリケーブルしてNW-ZX2とグランド分離で接続してみる。音のクリアさと低音の量が増え、ノーマル接続よりも音が良く感じる。 

少し前に色々なメーカーのシングルBAイヤホンの聴き比べをしたが、このYSM-04/RSに搭載しているシングルBAドライバーを超えるものを知らない。Ortofon e-Q8やGrado GR10eも同じ純銀ボイスコイルのシングルBAドライバーを搭載しているが、バランス接続できるのはアコエフのYSM-04/RSのみだ。

シングルBAの最高峰は紛れもなくアコエフのYSM-04/RSで決まりだ。

高音域 ★★★★☆
中音域 ★★★★☆
低音域 ★★★★
解像度 ★★★★☆ 
NW-ZX2とグランド分離接続での評価 

・Acoustic Effect
http://www.ac-ef.jp/ 



finalの高級イヤホンPiano Forteを聴き比べる

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final audio designのPiano Forteシリーズは、自分には縁のない手の届かない憧れのような存在だった。値段もさることながら、その独特の形と金属でできたそのボディは、イヤホンというよりは超小型のホーンスピーカーのように感じていた。

昨年からfinalとブランド名を改めているが、製品そのものは変更になっていない。今回、いくつか視聴機をお借りしたのでレビューしてみたいと思う。

Piano Forte VIII

初のPiano Forteの視聴はこの機種からにした。ずっしりとした重たい真鍮のボディは耳に負担を強いるようなイメージがあるが、耳にはめた瞬間、それが杞憂だということがわかった。耳にはめてしまえば重さも形も気にならないし、普通のイヤホンと同じで圧迫感がない。むしろ、ぴったりと耳にはめるカナル型イヤホンよりも快適なぐらいだ。

NW-ZX2に繋いで音楽を聴いてみる。オープン型のヘッドホンで音楽を聴いているような感覚の音がそこにはあった。それでいて低音もしっかりと出ている。スピーカーが耳元で鳴っているような感覚に近い。

聴かず嫌いし、これまで視聴もしたことがなかったが、こんなに素晴らしい音ならもっと早く知っておくべきだった。

ホーンスピーカーの理論をイヤホンに応用した製品だけあって、普通のイヤホンとは音の鳴り方が違う。

高音域 ★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★
解像度 ★★★



final ダイナミック型イヤホン Piano Forte VIII FI-PF8DSB3-A

Piano Forte IX

続いてステンレス製のPaino Forte IXを耳にはめてみる。ステンレスの冷たさがあるが、付けて少し経つと体温と同じ暖かさに変わる。

Pano Forte VIIIの上位モデルだけあり、聴いた瞬間に音の解像度とキレが違うことに気付く。Pano Forte VIIIは良い意味で温かみのある柔らかい音だったが、Piano Forte IXは冷たくキレのある音になっている。モニターライクな音作りと言えばわかりやすいかもしれない。

高音域 ★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★
解像度 ★★★☆



final ダイナミック型イヤホン Piano Forte IX FI-PF9DSS3-A

Piano Forte X

最後に最上位モデルのPiano Forte Xを聴いてみた。音の傾向としてはPiano Forte IXに近いが、若干、温かみのある音の傾向に変わっている。音の解像度はPiano Forte IXから変化があるようには感じないが、音のバランスが良くなり、原音に忠実になっているように感じる。

Piano Forteシリーズを買うならこのモデルしかないと感じた。

高音域 ★★★★
中音域 ★★★★
低音域 ★★★★
解像度 ★★★★



final ダイナミック型イヤホン Piano Forte X-CC FI-PF10DCC3-A



シングルBAのイヤホン5機種を聴き比べる

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昔はイヤホンというと、ダイナミック型が一般的だった。それがいつの間にか、補聴器で使われていたバランスド・アーマチュア(BA)型のイヤホンが増え出し、それも複数のBAを搭載したマルチBAが一般的になっている。特に高級イヤホン市場を見渡すとマルチBAタイプのイヤホンが大多数を占めている。10ウェイや12ウェイなど、たくさんBAユニットを搭載しているのが良いと勘違いするぐらいのイヤホンまで登場している。

そんな自分もマルチBAユニットを搭載しているSHURE SE846を愛用しているが、定位や音の生々しさという点ではフルレンジのダイナミック型(AK T8iE)に劣ってしまう。

スピーカーはフルレンジユニットのものが好きで、Mark AudioのAlpairシリーズを愛用している。フルレンジというのはネットワークが入らず、音がダイレクトにアンプからスピーカーユニットに繋がるので劣化しにくいという特徴がある。それはイヤホンやヘッドホンでも同様だと思っている。

BAユニットについて調べてみると、いろいろなことがわかってきた。BAユニットを供給しているメーカーは意外に少なく、どのメーカーも同じようなBAユニットを使っていることがわかってきた。多少のカスタマイズはあるようだが、どちらかというと、イヤホンの材質や形状、ネットワークで違いを出していることがわかってきた。

BAユニット製造メーカー

・Knowles(アメリカ合衆国) SHURE、Weston、JH Audio等
・Sonion(デンマーク) Klipsch、JH Audio等
・日本モレックス(アメリカ合衆国) ※スター精密(日本)のBA事業を買収 final、ZERO AUDIO
・ヤシマ電気(日本) Ortofon、Grado、Acoustic Effect等
・ソニー(日本) Sony

BAにもフルレンジユニットというのがあり、ダイナミック型と同じくひとつのユニットで高音から低音までカバーするものがある。KnowlesのフルレンジBAユニットを搭載したETYMOTIC RESEARCH ER-4シリーズは20年以上も前に発売され、現在も売れ続け、音の評価も高い。これが何を意味しているかというと、BAユニットは20年以上前にすでに完成形になっていたということである。ダイナミック型のイヤホンでこんなにロングセラーのモデルを自分は知らない。

BAの歴史を知ってしまい、シングルBAによるフルレンジ一発が気になって仕方なくなってしまった。こうなるともう止められない。先ほど挙げたBAユニットを使っているシングルBAイヤホンを片っ端から購入して聴いてみた。

ELECOM EHP-BA100 AQUA (Knowles製BA)

エレコムが作り上げた真鍮製のフラッグシップモデル。KnowlesのRABシリーズのフルレンジBAユニットを搭載している。エレコムというだけで今までの自分ならスルーしていたが、売れているということもあり、敢えて購入してみた。

AQUAというネーミングのとおり、透明感のある音作りとなっている。低音もしっかりと出ており、不満は感じない。透明感のある音作りが自分の勝手なイメージだが一番BAっぽい音のように感じた。

高音域 ★★★☆
中音域 ★★★
低音域 ★★★
解像度 ★★★


ELECOM ステレオヘッドホン カナル BAドライバ BA100 シルバー EHP-BA100SV

Klipsch X10 Rev.1.2(Sonion製BA)

ER-4ほどの歴史はないが、Klipsch X10も10年近く売れ続けているモデルである。SonionのフルレンジBAユニットを搭載している。KlipschのカスタマイズBAのため、独自のコードネームも付けられている。

このイヤホンの特徴は、BAユニットの苦手とする低音もしっかりと鳴らすところだ。それでいて高音から低音までバランス良く聴かせてくれる。こういう音だとよくダイナミック型っぽい音作りと言われたりするが、ダイナミック型っぽいというのはネガティブな要素もあり、自分は音がクリアではないという印象も受けてしまう。音がクリアなダイナミック型っぽい音作りというとX10の良さをわかってもらえると思う。

ちなみにRev.1.2となっているが、パッケージングが変更になっているだけでイヤホンそのものの音に変更はない。

高音域 ★★★☆
中音域 ★★★★
低音域 ★★★☆
解像度 ★★★☆



Klipsch Xシリーズ X10 Rev.1.2 KLRFXA0112

ZERO AUDIO CARBO SINGOLO ZH-BX510-CS(日本モレックス製BA)

音の傾向としてはKlipsch X10に近い感じを受ける。ただ、Klipsch X10と比べると解像度が若干低く感じてしまうが、音のバランスが良く、音楽を聴いていて楽しいと感じさせてくれる。

ボディはリアルカーボンとアルミ、真鍮のホーンで作られていて作りも良い。

高音域 ★★★
中音域 ★★★☆
低音域 ★★★
解像度 ★★★



ZERO AUDIO インナーイヤーステレオヘッドホン カルボ シンゴロ ZH-BX510-CS

Ortofon e-Q7(ヤシマ電気製BA)

高音域が美しいと評判のイヤホン。ヤシマ電気がOEMで製造し、デンマークのオルトフォンが販売している。

このイヤホンを聴いて最初に感じたことは、これまで他のイヤホンでは聴こえなかった高音が聴こえてくる。これまでも聴こえていたのかもしれないが、意識したことのなかった音がそこにはある。

ヤシマ電気は独自技術のヤシマEMD(Extreme Magnetic Driver)と呼んでいる1磁極型マグネチックドライバーをBAユニットに採用している。ディスク状の振動版を採用し、振動版とアーマチュアを繋ぐドライブシャフトをなくすことで振動版がより動きやすくしている。

ヤシマ電気にしか作れない音がそこにはある。

高音域 ★★★★
中音域 ★★★★
低音域 ★★★
解像度 ★★★★



オルトフォン カナル型イヤホン e-Q7-S(色:シルバー)

Sony XBA-100(ソニー製BA)

ソニーが自社開発したフルレンジBAユニットを搭載したイヤホン。真鍮で作られていて美しい。

ソニーはバランスド・アーマチュア・ユニットに参入したのが一番遅いということもあり、他社のBAユニットと比べるとまだまだ完成度が低いように感じる。ソニーのマルチBAのフラッグシップモデルを購入したことがあるが、SHURE SE535と比べるとまだまだな感じを受けてすぐに手放してしまった経験がある。シングルBAのイヤホンを聴いてみて、なるほど、と納得してしまった。いくら複数のBAユニットを搭載していてもひとつひとつのBAユニットの完成度が低ければ良い音にはならない。

厳しいことを書いてしまったが、ソニーは大好きなメーカーなので海外勢に負けないBAユニットが開発されることを期待している。

高音域 ★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★
解像度 ★★☆



SONY カナル型イヤホン XBA-100

最後に

5つのフルレンジBAユニットを搭載したイヤホンを聴き比べ、高音域、中央域、低音域、解像度の4つの視点で自分なりの評価をしたが、正直、どれも良いと思える音だし、これはダメだというイヤホンはなかった。マルチBAだとダメなものと良いものがはっきりとわかるが、シングルBAだとネットワークの影響や定位の影響を受けないのでそれがわかりにくいのかもしれない。これはBAユニット単体ではどれも一定以上の品質を保っていることの証だと思う。

イヤホンをお気に入りの順序で並べてみた。

1位 Ortofon e-Q7
2位 Klipsch X10 Rev.1.2
3位 ZERO AUDIO CARBO SINGOLO ZH-BX510-CS
4位 ELECOM EHP-BA100 AQUA
5位 Sony XBA-100 



マルチBAイヤホン、SHURE SE846のレビュー

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SHURE SE846を発売日に購入し、1年半以上使用してきたのでそろそろレビューしたいと思う。

SHUREのフラッグシップモデルのイヤホンはもうかれこれ10年以上買い換えて使用し続けている。 SHUREに限らず、口コミの評価が良いイヤホンやヘッドホンがあると購入していまうのだが、最終的にはSHUREに戻ってしまう。SHURE SE846が発売されてからはこれを超える良い音のイヤホンには出会えていない。

SHURE SE846は主に通勤などの外出時に使用している。家ではヘッドホン、外ではイヤホンという使い分けをしている。

SHURE SE846の音質だが、低音から高音までバランス良くクリアに出る。SHUREのイヤホンとヘッドホンに共通することとして音の情報量が多く、音圧を感じることが上げられると思う。昔のフラッグシップモデルでは今のモデルほどクリアではないこともあり、それが長時間聴いていると疲れに感じることもあったが、SE535以降のモデルでは疲れを感じなくなっている。この音圧に慣れてしまうと他メーカーのイヤホンやヘッドホンだとスカスカした情報量のない音に聴こえてしまう。この違いに気づくとSHUREから離れられなくなってしまう。

ソニー、ビクター、RHAなど、フラッグシップモデルが出るたびにイヤホンを買ってみるが、SHURE SE846はどれも超えられていない。やはり、SHUREを超えるのはSHUREだけなのかもしれない。

2016年11月3日追記
色々なイヤホンを買っては売っているが、SHURE SE846だけは不動の地位を保っている。購入当初はバランスノズルで聴いていたが、最近はブライトノズルの音がお気に入りとなっている。WESTON W60を買った時、これでSHURE SE846を超えられると思ったが、SE846のバランスノズルでも沈み込むような低音と美しい高音域を聴くとW60の中高音域の美しさも霞んでしまう。

<バランスノズル>
高音域 ★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★
解像度 ★★★

<ブライトノズル>
高音域 ★★★★☆
中音域 ★★★
低音域 ★★★★★
解像度 ★★★

<ウォームノズル>
高音域 ★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★★★
解像度 ★★★


【国内正規品】SHURE SE846 カナル型 高遮音性イヤホン クリスタルクリアー SE846CL-A



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